樹状細胞の発見より、観察の心構えを学ぶ

今読んでいる「美しき免疫の力 動的システムを解き明かす」より

 

カナダの免疫学者スタインマンは脾臓からとりだした細胞の混合物を顕微鏡下にみたときに、教科書ではみない尖った突起をもつ星状の何かを見た。

これが樹状細胞の発見のきっかけとなったのだが、彼がこれを見たときはそれが何を意味するのかわからず、とにかく「枝分かれの形はさまざまに変化し、絶えず多くの微細な樹状突起が伸びては縮んで」いたと記述していた、とのことだ。

 

観察するときは、先入観や知っていることが新しい発見の邪魔になることがある。

特定の何かを探していないときの方が目新しいものには気づきやすい。

 

「誰もがみたことがあるものを見て、誰も考えなかったことを考えること」が発見の秘訣。